2014/12/01

{江戸時代の罪と罰展}江戸の刑罰はすさまじいわー

今、国立公文書館でやっている展示「江戸時代の罪と罰」の展示に行って来ましたよ。
2014年11/22〜12/14までやっています。
生首を通行人に平然とさらしていた自由でカオスな江戸時代だし、さぞや刑罰も恐ろしくて、事件も今の常識では考えられないことがあったのだろうとちょっと興味があったのでふらりと行ってみました。

江戸時代によくあった犯罪ですが、割と今と変わらない模様。
巾着切(スリ)
火付け(人の家に放火して火災の混乱に乗じて金品を盗む)
ヲシコミ(数人が刀をもって一気に家に押し入り金品を脅し取る、現代で言うと強盗なのかな)
荒稼ぎ(昼間に人のものを強奪や追いはぎをすること。人通りが多くてもやるから荒稼ぎというらしい)
ユスリ(ゆすりは現代と同じで、ぶつかってないのに因縁をつけだりして金をねだりとる)
倒レ物(人の家の前に死んだように倒れて、家の人が邪魔だから金を与えて立ち去らせるのを期待する)

ん?倒レ物(笑)現代では聞いた事もないけどあれば何の犯罪になるのだろうか。放置しても良いわけだし、そのうち居なくなるでしょ?って思ったけど、道中に人がバッタバッタと倒れてて相当邪魔だったんだろうか…。想像しても微笑ましいとしか思えない不思議…
こういうことかな?

他にも、不倫や主人の娘と密通した罪(それって罪なの?)とか、 酒乱で人を傷つけたり、心中未遂したり、離縁状を渡さずに後妻を呼んでも罰せられちゃうそうですよ。身分や階級によって罰則が違うものもあってずるいですね。全然公平じゃないのが江戸時代らしい。

あとはこんな変わった逮捕劇も。
同心の服装が多分違うけど、要約するとだいたいこんな感じ。

そんな犯罪が横行する江戸ですが、ただの窃盗でもモノによっては死罪になったりするようです。厳しい…!
しかも死罪にも軽・中・重のレベルがあって、(軽)は首をはねるだけ、(中)は首をはねた後試し切りされる、(重)は首をはねた後首を晒す…恐ろしすぎる。当人にとっては首をはねた後はどれも同じような気がするけど、宗教的な観点なのでしょうか。

殺人でも故意で無ければ 島流しで済んだりしたみたいです。どこに流すんでしょうか。(八丈島とかだそうです)

死刑は死刑でも絶対嫌なのは、肩口にのこぎり入れられて誰でも引いていいよ〜って放置される「のこぎり引き」と、アリャアリャとか言いながら左右から槍で突かれる「磔」と、火あぶりの「火罪」です。こういう事をされるのは主殺し、親殺し、師匠殺しなど結構悪いことをしちゃった人だそうですが。それにしてもさすが江戸時代な刑罰ラインナップです怖い。

奉行所は予防になるような注意喚起にも勤めていたそうです。
たとえば、巾着切(スリ)ですが身なりが決まっていたそうです。
表地が青梅縞で、裏地が秩父絹の布子だけを着て、懐には何も持たず帯は黒琥珀、足袋は紺の筒長。白い晒し木綿の手ぬぐいを肩にかけるか腰に挟み、雪駄を履きなさいとのこと。
こんなに決まってたらパッと見でスリってわかるからそいつを逮捕した方が良いんじゃ…って思うけど、この方法でスリに注意する人が増えて被害が減ったのだとか。
スリは4回くらい捕まったら打ち首だったそうなので30歳までの若い男が多かったみたいです。着物が想像できなかったので絵にできませんでした…残念。

ちなみに、スリに懐中のものをスられてしまったら、お金は返ってきませんが印鑑や書類など重要でどうしても取り戻したいものがある場合、床屋さんに言えばスリに言ってくれて返してもらえるのだそうです。でも床屋さんはスリの仲間じゃないんだって。よくわかんないけどそうやって世の中回ってたんですね。

他の見所としては、あの「大岡裁き」で有名な大岡越前守の逸話や美談の資料が残って居ました。
そして、大物の家ばかりを狙って有名になった鼠小僧の事もありました。鼠小僧は背は小さいけどなかなかのイケメンで人気取りが上手で町の人には好かれていたそうです。そのせいで、盗んだお金を貧しい人に分け与えているというお話も出てくるというものです。
さらに、鼠小僧は単独犯で長いこと縁の下に潜んで仕事を成功させたりというやり手だったので、狙われるような裕福な人は恨みも買うでしょうから、これらを困らせたという意味でも人気だったみたいですね。
悪代官が困るのを見てさぞやメシが美味かったんだと思います。

鼠小僧が入ったと言われる家がピンで印がされています。
江戸の地図ですが、多いところではご近所がほとんど入られていますね。
もっと用心しましょう。

鼠小僧は本当は貧しい人にはお金は与えていなかったという説が有力だそうです。博打や生活費に盗んだお金を費やしていたんですね。で、やっぱり若くして刑罰を受けて亡くなります。鼠小僧は市中引き回しのとき、派手は着物になぜかお化粧までされていたそうです。
した方もされた方もどんな気持ちなんだろう…。

刑務所のご飯や、ルールなどもあったりして読んでいて楽しいワクワクする展示でした。
若い人はほとんど居なくて年配の人たちが多かったのですがもったいない。
最後に気になる資料があったので載せます。


どういう状態なんだこれは。
私は歴女ではありませんがこの展示、楽しめました。

0 コメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...